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春雨じゃあ濡れていこうか
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金田一春彦さんの「ことばの歳時記」の中で... ”新国劇の芝居で見ると,月形半平太が,三条の宿を出るとき,「春雨じゃ,濡れて参ろう」と言うが,今思うと,彼は春雨が風流だからぬれて行こうと言ったのではなく,横から降りこんでくる霧雨のような雨ではしょせん傘をさしてもムダだから,傘なしで行こうと言ったものらしい.” とありますが,京都の春は霧雨が良く降るようです.ここで,工学者の悲しい性といいますか,無風流といいますか,霧雨はどれくらいの速度で降るんだろうか.... ^^;;; パラシュートなんかでわかるように,物体が自由落下して速度が増してくると,空気抵抗も大きくなって,ついには重力と空気抵抗と浮力が釣り合った一定の速度で落ちてきます.これを,終速度って言うんです. すなわち.... 重量=抵抗+浮力 ってわけ! 直径d(m)(半径r)の球体の場合,球の密度をρ'(kg/m3)としますと... 重量は....W=4ρ'gπr3/3 また,霧雨のように速度が極めて小さい場合の抵抗は,ストークスの式によって... FD=3πμVd ここで,μは空気の粘度(単位はPa・s),Vは落下速度(単位はm/s) また,浮力は,空気密度をρとしますと Wb=4ρgπr3/3 ですから, W=FD+Wb より 4ρ'gπr3/3=3πμVd+4ρgπr3/3 これを変形すると終速度は... V=d2(ρ'-ρ)g/(18μ) となります. というわけで,野暮な話ですが, d=0.1 (mm) μ=1.8×10-5 (Pa・s) ρ=1.2 (kg/m3) ρ'=1000 (kgm3) としますと, V=0.302 (m/s) すなわち,一秒間に約30センチメートル落ちてくるってわけ! これじゃあ,ちょっと下から風が吹けば舞い上がるって寸法なんですね~ ちなみに,ストークスの式は今回のように落下速度が小さい場合に適用できますが,ボールの落下計算なんかには使えませんのでアシカラズ |